研究ってどんなことするの?

NO IMAGE

M2の山本です!

研究ってなに?

以下の文章は、これから研究を始めるであろう学部3年生、あるいはそれ以下の学年の方々に読んでほしいと思って筆を執ったものです。

「研究ってどんなことするのかわからなくて怖い」「不安すぎる…泣きたい…」と感じる人もいるでしょう。その不安を少しでも軽減したいなら、ぜひ読んでみてください。少しだけ研究を身近に感じられるはず。

初めての研究室

私が研究室に初めて来た日、私は緊張で喉にご飯が通らず、つるつるのうどんを食べてきました。研究と聞いて一般人が思い浮かべるような「未知との戦い」「ブラック研究室」などのキラーワードが、頭蓋骨の裏側に投影されていたからです。

そこからあっという間に3年を経て、今に至ります。緊張するほどのことではありませんでした。

未知との戦い

研究が未知との戦いである側面を、ここで残念ながら認めなければなりません。誰もかれもが簡単にこなせるというわけではありません。研究への適性はかなり極端に分かれる気がします。具体的には、知的基礎体力とでもいうべき能力を有する、以下の気質の人達が向いていると言われます。

・本を読むのが好き。

・文章を書くのが好き。

・知らないことを学ぶのが好き。

・難解な問題に出会うと、考え込む。

一方、これらを全て満たしていても研究に向かない人もいます。3年間をかけて自分のテーマを掘り下げた結果、「既知の知識を分類するのは好きだが、未知を考えることには全く充実感を覚えなかった」と感じる人間も、まあいます。修士にも普通にいます(なんで修士まで行ったの!?なんて言わないでくださいね、理系で就職するなら修士卒がダンゼン有利なのです……)。同期の私の友人がまさにその類でした。

研究の適性は、どうやら知識量や好奇心によって単純に決まるものではないようです。生まれ持った気質が関係しています。例えば、一つのことを考えていないと気が済まないとか。

それでいいのか、という話ですよね。別にいいんじゃないかな、と思います。やってみたが自分と合わなかったという経験は、やってみてもいないことより百倍尊く、価値があります。それは経験の欠如ではなくむしろ欠如の経験であり、長い人生の中で自分が向かうべき方向性が一つ確定したわけですから。

研究はどんなことをするのか

研究はどんなことをするのか。家族や知人にいつも聞かれる質問です。非常に一般的な話をすれば「誰も答えを知らない問題について、自分なりの答えを導く」という営みですが、こうやって表現するとみんな尻込みしてしまうでしょう。もっと身近なことに引き寄せてみます。

お風呂やシャワーのお湯の温度は、摂氏40度ぐらいです。一方、気温で摂氏40度と聞くと仰天してしまうでしょう。暑すぎます。お湯の40度は人によってはぬるくさえ感じられるのに、気温となると暑くてたまらない。

なぜなのか、考えてみたことはありますか?確かにそうやって聞かれると、難しいですよね。自分の子どもに尋ねられたとて、うまく答える自信はありません。実はこの問題、すでに中学生が研究し、文部科学大臣賞を得ています

大学での研究は、こんな感じの疑問をより専門的にし、より高度な装置を用いて実験したり計算したりすることで答えを見つける営みです。とはいっても、学部4年なのに自分でテーマを思いつくという人はほぼいません。たいてい、先生から「こういうテーマがあるんだよね、やってみる?」と、与えられます(先生の頭の中はいつだってアイデアでいっぱいなので、尊敬します)。

わからないなりに実験系をいじっていたら、誤差を含む興味深いデータが得られた、でもそのデータはあまりにも理想の計算結果とかけ離れている、何が原因なんだろう?みたいなことをずっと考えます。というか、最初から理想が出たら苦労しないので、たいていは誤差との戦いになってきます。誤差をどう解釈するか、改良するかが研究の本質といっても過言ではないでしょう。

一回、あまりにも値が出てくれないのでいろいろ装置の故障を疑って3日間かけて調整していたら、ある装置の電源が入っていなかったということがあります。私含めて3人雁首揃えて同じところにいてそれでも気づかなかった間抜けさに自分でも驚いてしまいました。そういうこともまあ全然、あります。普通にあります。

これはまあ、パソコンの故障にも例えられるかもしれません。スクリーンの電源が入らないとき、あなたならどうやってそれを解決しますか?まさか、最初から「壊れた!」と喚きたててカスタマーセンターに電話することはないでしょう。問題を切り分けます。スクリーンが故障しているかもしれないので、別のスクリーンに映してみよう、ダメだった、ということは本体がいかれているのかな、……。

今までの話を聞いて「面白そう、やってみたいな」と思えたなら、あなたには十分適性があります。全く興味がなくても大丈夫。適性がないことを確認するために3年間を犠牲にするとは考えないでください。研究だけで学生生活が終わるわけではありませんからね。

ぜひ、本研究室へ!

というわけで、まだ研究をしたことのない方々に向けて書いてみました。

研究を充実したものにできるかは、研究テーマにもよりますが、私は指導教員にも大きくよっていると考えています。研究室選びで迷った方はぜひ、本研究室へ!自分のスタイルにあった指導をしてくださると思います!